バベッジが階差機関を作ろうとしたのは、数表に誤りが多かったためだそうです。数表は関数をあらかじめ計算し、それを本にまとめたものです。関数電卓の無い時代は、この数表を使って関数の計算を行っていました。
ところがこの数表に誤りがありますと、間違った計算結果となってしまうワケです。これによる被害として良く例にあげられているのが航海です。当時は現在の様にGPSはありませんから、星の位置(方向と角度)から海上での自船の位置を求めていました←天測ですね。
そのため数表に誤りがありますと、自船の位置の計算に誤りが生じてしまい、それにより進路も誤ってしまうワケです。船の進路は方角で決めますので、距離に比例してその誤りも大きくなります。最悪の場合は遭難や難破にもつながってしまいます。
数表に誤りがあるのは、計算、原稿の制作、活字を並べる植字、試し刷りの校正といった人が行う工程でミスが起こるためです。
バベッジは、計算から印刷用の原板の作成までをひとつの機械で行えば、誤りの無い完璧な数表が作れるとが考えたのです。
しかし、バベッジは階差機関を完成させる事ができませんでした。バベッジや階差機関はWikipediaにも載っていますし、以前に紹介した書籍『誰がどうやってコンピュータを創ったのか?』で読む事ができます。
Link:
・チャールズ・バベッジ (ja.Wikipedia)
・階差機関 (ja.Wikipedia)